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「はー? 勝手に事故とか断定しないでよー」
まさかの反論をされた。
徳憲はいよいよ頭を抱えてしまう。
勝手も何も、捜査主任の徳憲がそう結論を出した以上、事件性はないのだ。他人にとやかく言われる筋合いも、ない。
この女はどうかしている。どうにも気が抜けるし、要領を得ないし、調子が狂う。本当に科捜研のエリートなのか疑いたくなる。口調もラノベみたいだし。
「あたしが聞きたいのはー、死んだ容疑者に突き付けられた逮捕状のことよー」
逮捕状?
徳憲はまぶたをしばたたかせた。
「逮捕状って……私文書偽造の?」
「それそれー」黄ばんだ歯を見せて笑う忠岡。「あたしさー、院長は無実だと思うわー」
無実?
この女、犯人をかばいやがった。
徳憲はますますわけが判らない。
確かに、二課によれば院長は罪を認めぬまま、屋上から転落したらしい。何度も「私は無実だ」と叫んでいたそうだが、単なる苦し紛れとも取れる。
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