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2.
「忠岡さん、そもそも俺たち一課より二課の方が先に捜査していますから、質も量も向こうが上だと思いますよ。奴らを出し抜く新事実なんてあるかどうか――」
「そんなのやってみなきゃ判んなくなーい?」
忠岡はてくてくと先を行く。
警視庁本部を出て、隣の警察総合庁舎へ。
後ろを追従する徳憲は、どうして彼女に付き合わされているのか自分でも釈然としないまま、流れに任せて足を進めた。
「あたしだってー、ただ座して待つつもりはないよー? すでに二課が仕入れた私文書偽造の証拠を再調査しよーと思ってたしー」
「え? 良いんですかそれ?」
「へーきへーき」肩越しににやける忠岡。「科捜研は業務の合間に、新しい分析技法の開発や個人で好きな研究を進めることも職務に含まれてるからねー」
科捜研は日進月歩する最新技術に後れを取らぬよう、常に研鑽が積まれている。
所員が手すきの時間に調べものをするなんて日常茶飯事だし、誰も咎めない。一度でも科捜研に持ち込まれた物品はデータとして保存されるため、自由にほじくり返せる。
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