第四幕.英雄の最終決戦

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 怖川とは何もかも正反対なモヤシ野郎だが、寡黙な怖川を補って余りある饒舌な性格は、双方を足して二で割ってちょうど良い。  徳憲は極端な両名に辟易しつつも、鑑定結果に目を通して唖然となった。 「なになに……ん? 『凶器が植木鉢()()()()()()ことが判明した』ですって!?」 「ふッ! その通りだ! キリッ」  怖川が右手で顔を覆い隠し、足を交差させて謎のポーズを取った。  隣では怖川がしきりに首を縦に振り続けている。 「――――……」 「そ、そうですか」どうにも話しづらい徳憲。「物理科の機械係って、凶器の検査も業務に含まれていますよね。凶器が違うと、死因も変わるのでは?」 「さッさと報告書を読みたまえッ! 詳細は全て書面にあげつらッた! 貴様の読み進めるペースに合わせて適切な注釈や補足事項を口頭で添えてやろうッ!」  怯間が強く通読を推奨した。  しかし死因が変わるとなると、捜査の『ストーリー』にも影響が出る。下手したら一から練り直し、根本から考え直さなければならない。  やはり科捜研は油断できない――徳憲は神妙に目を通した。 「被害者(ガイシャ)の後頭部にあった打撲痕にまぎれて、()()()()()()()()()()()()……ええっ!?」
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