第四幕.英雄の最終決戦

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「あなたは今まで、幾多の冤罪をでっち上げましたね……今回はそれだけで飽き足らず、本当に才慥さんを()()()()()()()んです……心理学で行動パターンを操って!」  犯罪を誘発させた『黒幕』が居る。  それは他でもない――忠岡だ。  人の心を操るスペシャリスト。  科捜研の仲間たちを、事件の当事者さえも心理誘導で手玉に取り、思い通りのストーリーを進ませていた、いわば『シリーズ構成』とも言うべき役だ。 「今回は才慥さんを逮捕し、父親の英川さんを追放するという最後の仕上げでした。だから冤罪ではなく『正真正銘の犯人』として才慥さんを逮捕する必要があったんですね」  ゆえに才慥は罪を認め、自供までしている。 「捏造ではなく本当に真犯人ならば、大手を振って糾弾できますもんね? 最後の一押しにふさわしい、徹底した追い詰め方です」 「あらー? まるであたしがー、才慥に殺人教唆(きょうさ)したよーな物言いじゃなーい?」 「違うんですか?」一歩詰め寄る徳憲。「そのために、女タラシの悦地さんを忤藤愬実さんと引き合わせ、()()()()()()()()()()()()()()()()んでしょう!」  才慥が三角関係のもつれで怒り心頭に発し、自分を裏切った忤藤愬実を殺害するよう仕向けた。
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