第四幕.英雄の最終決戦

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「あたしはねー、平穏な職場と生活を脅かされる場合のみ、全力で解決に奔走してるだけよー……その結果、相手がどーなろーとも、ね」 「解決だって? ……あんたは断じて解決役(ヒーロー)ではない! こんな推理は破綻している!」 「なんでー? 本格推理ってあるでしょー? あれは真実が判った時点で物語(ストーリー)は終わるわー。()()()()()()()()()()()()()()()()()しー、()()()()()()()()()()()()()よー」 「そんな……そんなことって……」 「いー加減理解しなよー。どんなに胸糞が悪くても、決着さえ付けば()()()なのよー。いわゆるイヤミスよねイヤミス」 「そうですか……判りましたよ忠岡さん、いや、忠岡()()とでもお呼びしましょうか。俺はあなたには敵いません……ですが」  徳憲は忠岡に屈服した。屈服はしたが、最後に捨て台詞だけは吐くことにした。 「ですが、この物語(ストーリー)は……非解決役(アンチヒーロー)破綻推理(アンチミステリ)だ!」    * 干物女VS指紋の英雄――了(世間では円満解決)
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