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「あたしはねー、平穏な職場と生活を脅かされる場合のみ、全力で解決に奔走してるだけよー……その結果、相手がどーなろーとも、ね」
「解決だって? ……あんたは断じて解決役ではない! こんな推理は破綻している!」
「なんでー? 本格推理ってあるでしょー? あれは真実が判った時点で物語は終わるわー。真犯人が必ずしも捕まるとは限らないしー、バッドエンドだって多数あるよー」
「そんな……そんなことって……」
「いー加減理解しなよー。どんなに胸糞が悪くても、決着さえ付けば大団円なのよー。いわゆるイヤミスよねイヤミス」
「そうですか……判りましたよ忠岡さん、いや、忠岡先生とでもお呼びしましょうか。俺はあなたには敵いません……ですが」
徳憲は忠岡に屈服した。屈服はしたが、最後に捨て台詞だけは吐くことにした。
「ですが、この物語は……非解決役の破綻推理だ!」
*
干物女VS指紋の英雄――了(世間では円満解決)
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