第一幕.非解決役の破綻推理

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「たとえ間違っていたとしても、外に出さなければ問題ない。ここだけの話で済む」  管理官もどこかおかしかった。  研究者上がりは皆こんなものなのか。人間関係に縛られず、純粋に学術へ身を捧げるからこその豪胆さと言えた。  彼らにはしがらみがない。  良く言えば自由奔放。  悪く言えば傍若無人。 「文書鑑定の証拠さえ引っくり返せばー、()()が偽装工作した動機や犯罪心理も突き止められるわー……それが『心理係』であるあたしの真骨頂よ!」  犯罪心理。  心理係の彼女にとって、そこが本領発揮であることは間違いない。 「さー忙しくなるわよー。今から指紋係の工作を暴露してやるんだからねーっ!」 (ふ、不安だ……)    *
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