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俺を先頭に進んでいく道は暗く、凛とした空気が流れている。
「きゃっ!」
最後尾にいたリュイの声が聞こえ、皆一斉に後ろを振り向く。しかし、そこには彼女の姿はない。ぐしゃぐしゃと生肉が食われるような音が近くで聞こえた。左上にあるパーティーメンバーライフのリュイのHPは高速に減っていき、0になった。するとHPゲージは深緑になり、元に戻った。小さな字で「P」という表記があった。Pとはプラントウイルスという植物ウイルスであり、意外と凶悪である。
「そんな…」
逃げたくなるほど心臓が素早く脈を打つ。ゲームなのに冷や汗が止まらない。
カサッ…
「左だ!」
俺が叫び、皆は銃を乱射する。
「キシャァァァァァ!」
さっきの植物クリーチャーだった。頭が花で、花弁には鋭い刃がいくつも生えている。
「たまっても駄目だ。進もう」
皆静かにうなずいて歩く。
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