大掃除

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大掃除

やぁ、こんにちは。 君と会えるのはいつもこの季節だけだね。 いつもは、吹き抜けの横にある窓を拭く ついでにチラッと見てくれるだけなのに、 今年は僕まで掃除してくれるの? お陰で君の顔をやっとはっきり見れた 気がする。 一緒に住んで20年も経つのにね。 この間はほんとびっくりしちゃった。 まさか今になって動かすとは思って なかったよ! 長い間寝ていたから、突然自分が 回り出して驚いちゃった。 この家が出来て2、3年くらいはいつも 回してたのにね。 回した途端、僕に付いていたホコリが 落ちてきて大騒ぎになったから 汚れを取りに来たんだね。 奥さんと娘さんギャーギャー言ってたね。 お陰で僕は綺麗になるし、また昔みたく 回してくれるんだよね? 僕からは君たちの事よく見えるんだよ。 上からだから、大体頭部見てるけどね。 大丈夫。 君はまだ、全然大丈夫。 この間も家が狭いって文句を言ってたね。 片付けようよ。 僕より部屋の方がだいぶ広いんだから 狭いわけないじゃない。 娘さんのせいにしちゃダメだよ。 でもさ、昨日してた喧嘩、あれは正直 奥さんが悪いよね。 なんだけど、あの正義をもねじ曲げる 話術は凄い。 僕もあれ?君が悪いのかな? って思っちゃったもん。 気づいたら君謝ってたよ。ドンマイ! 娘さん、大きくなったね。 初めはベビーベッドでも余るほど 小さくてさ。 君と奥さんは娘さんにかかりっきりで、 僕を見る余裕なんてなかったと思うけど。 娘さんはじーっと僕を見てくれてたんだよ! ハイハイ出来た頃は嬉しかったような 寂しかったような。 今日は綺麗にしてくれてありがとう。 あ、うん教える。 大丈夫じゃなくなってきたら。 頭部ね。 拭きにきてくれないと教えれないからね! では、また、来年。
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