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そういう裏で言われたことにおじいさんがどうでもいい態度をとったのは、最初からどうでもよく思ったのではなくて、だんだんと里のみんなに言われっぱなしで、慣れてきたというか、それに心が麻痺したのかな。
家に帰った後、夕飯を食べているうちに外からノイズが聞こえた。扉を開いたら、みんなは松明を持ちながら、遠くに集まっている。僕はおじいさんを心配して、お箸を置いてすぐに駆け出した。
「待て!何するのよ!」
後ろから母の叫びがどんどん遠ざかっていく。
何分後におじいさんの家に着くが、おじいさんはいない。集っている人々のところに聞いてみたら、誰かが松明を持って山登りをしたと言われた。それはもしかしたら、おじいさんかもしれない。
「危ないから、助けに行くぞ。みんな!」
皮肉な話だ。もしおじいさんだと知っていたら、野垂れ死にさせたままのだろう。
「きっとあの狂ってるじじいだよ。こんな夜に登山するなんて。」
中の誰かが言っていた。
「そしたら、まずじじいの家へ見てみようぜ。」
また中の誰かが勧めた。
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