夢現つ

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 コンピューター室の雰囲気は元に戻った。と思うとたん、屋根が一気に飛ばされてしまった。コンピューター室にいる全員がそれに惹かれて見上げ始める。そればかりか、上から光り続く三角形のような尖らせたものがど真ん中から徐々に下されてくる。やがて屋根の代わりとなった。  「なんだ・・・それ・・・」  「う・・・うそやろう・・・」  「えっ・・・これは一体・・・」  ・・・  刹那にして、ノイズのような声が広がる。何か嫌な予感がしてくる。  「まさか、ファンタジーの映画の撮影でもしとるのかい。」  と思うと、ストレートヘアの男性は笑いながら気楽に言って立ち上がる。机に上がり、右手を伸ばしてその三角形の側面を触ろうとする。  「いってぇー・・・なんだこれ!」  触れた瞬間、さっと戻させられてしまった手がぶるぶると震え始める。  「電気が通ってんだ!くそいてぇー!」  自分の右手首を左手で握り締めながら降りてくると、隣の驚くオールバックの男性に「行くぞ!」と言った直後、荷物を持ってドアの方へ向かった。  「コレカラ、コエヲダスモノハ、シヌ。セイゲンジカンハ、30プン。セイゲンジカンヲコエタバアイ、ゼンインシヌ。イキノビルノハヒトリ。サアー、ハジメ!」  二人が動き始めるのと同時に、三角形から電波のような聞き難く、ものすごく低い声が伝わってくる。ちょうどストレートヘアの男性たちがドアの前に着いたところ、後ろから誰かのいびき声が聞こえてくる。
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