2人が本棚に入れています
本棚に追加
さっと、雷が女性の身体へ注ぐ。女性は倒れてしまった。数秒後、さっきの男性と同じように、口から声帯を吐き出して、三角形に吸収される。
「フタツ。」
と今度はその声帯の取られた女性の声が三角形から聞こえてくる。だが、やはりその電波のような声は消えていない。
「ノコリハ5フン。」
さらに残り時間を提示した。
それを聞いたストレートヘアの男性は横のオールバックの男性の顔を見て、頷いていた。取っ手から離したストレートヘアの男性はゆっくりと最寄りの椅子に手を触れた。横のオールバックの男性も同じような動きだった。どうやらこいつらは手を組んで、先手を打つかもしれないのだ。
セミロングの女性は厳かな顔をして、早速に文字を書いて上げて示した。
「文字:一緒に取り組んで脱出すべき!」
しかし、女性がその紙を上げたと同時に、女性の後ろに立つ角刈りの男性もキーボードを上げて女性の後頭部を狙っていた。
「あ!」
という声と、必死に後頭部に襲う音とともに、響き合う。やがて角刈りの男性の手が止まった。キーボードも壊されてしまった。
「いってぇ!」
急に襲ってくる何かの尖るものが背中と首に当たってくる痛みに耐えられなく、つい声を出してしまった。
視線がぼんやりして、沈んでしまう。
最初のコメントを投稿しよう!