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「そうだな。あの人は変だから、あまり関わらない方がいいぞ。」
男性は頭を男の子の方へねじり、さらに足を速めた。
しかし、正面からその高齢者の顔を見たら、何の困惑もなく、冷静に手元の「お仕事」に夢中しているようだ。ひたすら水桶を上がってきた水に浸らせ、水桶を上げて、フェンスを越えさせ、水を川に注ぎ続ける。動作は何度も繰り返され、他人から見た無駄なことをやり遂げろうとする。
遡ってみれば、1966年代にもこういう災害があった。豪雨に襲われたベネチアは浸水され、水位は194センチにまで上がり、最悪だった。その高齢者はまだ十六歳の少年だった。
災害が発生したあと、少年は水桶を持って二階の窓から飛び降り、家の前のあの通路に着陸した。あまりに水位が高いので、水しぶきが立たなかった。それから水桶を上がってきた水に浸らせ、水桶を上げて、フェンスを越えさせ、水を川に注ぎ続ける。
数分後、一人の女性が編み物のスカートを引き上げながら、通路の端から歩いてくる。女性は少年に近づいてきて、両手でスカートを引き上げるのを片手にし、空けたその手で少年の肩を叩いた。
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