雲雀

1/11
前へ
/12ページ
次へ

雲雀

なんで俺はΩなの? 誰も俺と番ってくれないのに… 俺は松坂雲雀、高校2年だ、 俺は昔から童顔で背も低かったため、 Ωだということはわかっていた だけど俺はΩなのにΩとして機能できない まぁ、そのことは後で話す 「行ってきます!」 「気をつけてねー!」 母の見送りに手を振った 「おっす!雲雀!」 「うわっ」 「お前なぁいきなりびっくりさせんなよ…あーあ、学年の女子共、Ω共が知ったら泣くな、学年一のモテ男、斎藤 和葉がこーんなバカで無神経だって」 「そんなこと言うなよ〜」 「第1お前のどこがクールなんだよ!詐欺だ!」 「ひどっ」 こいつは斎藤 和葉、幼稚園からの幼馴染で、α、しかも学年一のモテ男で容姿端麗、頭脳明晰、文武両道、なにもかも揃っていてついについたあだ名はクール王子、どこがだ!こいつがクールなんだったら学年の運動部共はめちゃくちゃクールってことになるぞ! 「ひーばーりー何?拗ねてんの?かぁわいい♡」 「次元の彼方に葬ってやろうか?」 「うおっ怖えっw」 「…っ」 無邪気に笑う和葉に不覚にもキュンときてしまう… 御察しの通り俺はこいつが好きだ 何年も前から でもそれは俺の一方的な感情で、和葉は俺のことをただの幼馴染程度にしか、思っていない それに俺は良家のこいつと番になれない 「…ばりっ…雲雀っ」 「っお、おう、すまんぼーっとしてた」 「どうした?なんか悩み事?」 お前のことだよ!…と言いたいところだがぐっとこらえる 「なんでもない…っ」 キーンコーンカーンコーン 「っしゃあ!やっと休み時間!雲雀はどうだった?テスト」 「別に普通だよ」 「ふーん…あっ!そうだ雲雀合コン行かない?Ωの可愛い子がたくさん来るらしいよぉ?」 ニヤァと笑う和葉に対しベシっとデコピンをかます 「いたっ!ひっどーい優しくしてよぉ雲雀くぅん」 「気持ち悪い離れろ」 俺がどんな気持ちで… 「でもさぁ雲雀もΩの番欲しくない?」 ピクッ 俺に番?Ωの?無理に決まってんだろ俺自身がΩなんだよ!まぁ…番を作れないなりそこないだけどさ… 俺は中学生の頃第二性の検査を受けた後に医師に呼び出された 「…松坂雲雀君であってるかな?」 「はい」 「非常に言いづらいんだが君はΩだ、しかもただのΩじゃない、」 「えっ?」 次に医師に言われた言葉は俺にとって酷く重く辛いものだった 「…雲雀君、君は子供を作れない、子供どころか番もだ、君はΩホルモンが低くてな、発情期が来る可能性は0%に近い、意味がわかるかね?」 「…は?」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加