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雲雀
なんで俺はΩなの?
誰も俺と番ってくれないのに…
俺は松坂雲雀、高校2年だ、
俺は昔から童顔で背も低かったため、
Ωだということはわかっていた
だけど俺はΩなのにΩとして機能できない
まぁ、そのことは後で話す
「行ってきます!」
「気をつけてねー!」
母の見送りに手を振った
「おっす!雲雀!」
「うわっ」
「お前なぁいきなりびっくりさせんなよ…あーあ、学年の女子共、Ω共が知ったら泣くな、学年一のモテ男、斎藤 和葉がこーんなバカで無神経だって」
「そんなこと言うなよ〜」
「第1お前のどこがクールなんだよ!詐欺だ!」
「ひどっ」
こいつは斎藤 和葉、幼稚園からの幼馴染で、α、しかも学年一のモテ男で容姿端麗、頭脳明晰、文武両道、なにもかも揃っていてついについたあだ名はクール王子、どこがだ!こいつがクールなんだったら学年の運動部共はめちゃくちゃクールってことになるぞ!
「ひーばーりー何?拗ねてんの?かぁわいい♡」
「次元の彼方に葬ってやろうか?」
「うおっ怖えっw」
「…っ」
無邪気に笑う和葉に不覚にもキュンときてしまう…
御察しの通り俺はこいつが好きだ
何年も前から
でもそれは俺の一方的な感情で、和葉は俺のことをただの幼馴染程度にしか、思っていない
それに俺は良家のこいつと番になれない
「…ばりっ…雲雀っ」
「っお、おう、すまんぼーっとしてた」
「どうした?なんか悩み事?」
お前のことだよ!…と言いたいところだがぐっとこらえる
「なんでもない…っ」
キーンコーンカーンコーン
「っしゃあ!やっと休み時間!雲雀はどうだった?テスト」
「別に普通だよ」
「ふーん…あっ!そうだ雲雀合コン行かない?Ωの可愛い子がたくさん来るらしいよぉ?」
ニヤァと笑う和葉に対しベシっとデコピンをかます
「いたっ!ひっどーい優しくしてよぉ雲雀くぅん」
「気持ち悪い離れろ」
俺がどんな気持ちで…
「でもさぁ雲雀もΩの番欲しくない?」
ピクッ
俺に番?Ωの?無理に決まってんだろ俺自身がΩなんだよ!まぁ…番を作れないなりそこないだけどさ…
俺は中学生の頃第二性の検査を受けた後に医師に呼び出された
「…松坂雲雀君であってるかな?」
「はい」
「非常に言いづらいんだが君はΩだ、しかもただのΩじゃない、」
「えっ?」
次に医師に言われた言葉は俺にとって酷く重く辛いものだった
「…雲雀君、君は子供を作れない、子供どころか番もだ、君はΩホルモンが低くてな、発情期が来る可能性は0%に近い、意味がわかるかね?」
「…は?」
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