雲雀

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俺は結局あいつに嘘をついてから逃げるように引っ越した 理由はない 強いて言うなら怖かった、それだけだ それに俺はこっちに引っ越してから 和葉じゃない奴に 抱かれた その事実を変えることは出来ないし、変えようともしていない 俺は今二丁目でウリをやっている 一回五万で これまで抱かれた数はもう二桁 名前も知らない奴らに抱かれた どうせ子供も出来ないんだ 現実逃避くらいさせてくれ 俺がどれだけ手を伸ばしてもどれだけ悲しんでも あいつの手だけは俺に触れることはない 「最後に抱かれとけばよかったなぁ」 そんなうわごとを言いながら 今日も相手を探しに二丁目を歩く 「おっ君かわいいねぇ〜ウリ?今晩相手してくれない?」 「…いいですよ」 あぁ目元があいつに似てる 今だけはもうあいつの事を忘れたい…
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