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ピピピッピピピッ
「…んっ…なんじぃ?…ッ!!!ヤベェ!遅刻する!」
「雲雀ーお母さんもう行くからね!抑制剤は持った?」
「持った!てかそれよりなんで起こしてくれなかったんだよ!いってきま…」
まだ少し眠いまま玄関を開けるとそこには和葉と背が低めの男がいた、
「…だれ?」
そう呟いたほんの数秒後二人は
キスしていた
「え?」
あまりに急なことに驚きを隠せない
「⁈雲雀!おはよ!」
「おはよ…」
「ん?あぁこいつ?俺の番だ!まだ正式には番ってないけどな!こいつは俺の幼馴染の雲雀だ、瑠璃挨拶しろ」
「こんにちは、綾瀬瑠璃と言います」
つ…がい…?
「ど、どうゆうこと?」
そんな混乱してる中俺の頭を横切ったのはただ一つ
(なんで?男でもいいの?なら俺でもいいじゃん)
だけどその子は容姿も幼くΩらしいΩだった
もう俺には勝ち目などないだろう
「そっ…か…応援してる」
「お前ならそう言ってくれると思ったぜ!」
違う違う違う違う
俺はそんなこと思っちゃいない
嫉妬でおかしくなりそう
でも俺には嫉妬する権利も傷つく立場もない
その時始めて和葉との間に壁を感じた
「…っごめん先行って」
今すぐそこから解放してほしかった
きっとあの子なら裕福な家庭を持って
和葉をえがおにして
「子供も産めるんだろぅな…」
出た言葉は小さく消えてった
現実を見て、傷を背負って俺に生きて行くほどの強さはない
「っうえっおえっ…和葉ぁっ」
あまりの悲しさに嘔吐してしまう
どんどんあいつが遠くなって行く
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