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3,解体屋と愉快な仲間たち
サブマシンガンを持った改造者も退け、坂上と芳賀は大通りに出た。同時に、二人の目の前に黒いジープが勢いよく停まる。
「早く乗って!」
窓を開け、運転席に座る女性が怒鳴った。乗っていたのは、艶やかな黒のロングヘアーに、レザージャケットを羽織っているという中々インパクトのある女性だった。
「あの、貴方は・・・?」
「俺の仲間だよ。ほら、とっとと乗れ。」
「あ、ちょ、押さないでよ!」
芳賀は坂上を半ば突き飛ばすように車内に押し込み、自分も乗り込みつつドアをに閉める。それを確認した女性は、法廷速度お構い無しに車を発進させる。
「ちょっと、さすがに飛ばしすぎよ!」
「んなこと知らないよ。あ、アタシの名前天木 麗華て言うの。ソイツの仲間よ。ヨロシクねぇ~。」
「天木さんね。よろしく。じゃないわよスピード落としなさいスピード!」
坂上の制止も聞かず、どんどんスピードを上げる天木。気づけば車は旧市街を抜け、摩天楼の如く高層ビルが並ぶ中心部へ来ていた。そのまま走ること五分。車は坂上が勤める、ヨコガワ警察署の前に停まった。
「この辺でいい?アタシら仕事柄、あんまり居たくないのよねぇ。」
「ええ、充分よ。ありがとう。」
そっけなく礼を伸べて坂上は車を降り、署内へ戻っていった。
「おいおい命の恩人に対して冷たいなぁ~。」
「ま、アタシらの事情を考えて早めに行ってくれたんでしょ。」
「だといいけど。まぁいいや、俺らも行こうぜ。」
芳賀が促し、天木は再び車を発進させた。
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