3,解体屋と愉快な仲間たち

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 坂上を降ろした二人は、その足で大通りから一本入ったところにあるホテルに向かった。地下駐車場に車を停め、ロビーで預かってもらっていた鍵を受け取ると、二人は最上階にある一室に入った。 「お待たせ~お二人さん。」 「おう、遅かったな。」 「また殺り合って来たんだ。お疲れ様。」 中にいたのは、芳賀の天木と同じく仕事仲間の二人であった。一人は男で、名は信条 敏志(しんじょう さとし)。スーツを(本人曰く)ハードボイルドに着こなす、芳賀の相棒である。射撃の腕は一級品で、裏では名の知れたスナイパーでもある。もう一人は女で、名は鳴瀬 美羽(なるせ みう)。とある事件がきっかけで仲間になった、一国の政府のセキュリティも楽々突破する凄腕のハッカーである。いつも猫耳のような飾りが付いたフードをかぶり、パソコンをいじっている。芳賀が呼び出し、ここで待ってくれていた二人だったが、長時間待たされたせいなのか、少し不機嫌に見えた。 「遅くなったのは相手方のせいなんだが・・・まぁいい。詫びと言っちゃなんだが、今回の目標(ターゲット)は大物だぜ。」 ニヤリと口に笑みを浮かべながら、芳賀は放るように坂上から貰った資料を机の上に広げた。大物という言葉に少々訝しげにしていた他の三人だったが、そこに書かれた名前を見て、一様に目の色を変えた。 「マジかよ……まさかあの“カメレオン”とはな」 「いいねぇ、ひさびさに血がたぎるよ」 信条と天木がそれぞれリアクションをする中、鳴瀬はキーボードを叩きながらひたすら画面を見ていた。 「ダメ。今“カメレオン”について検索かけたけど、一件もヒットしなかった。全然情報無いよ、ソイツ」 鳴瀬はパソコンを閉じつつ、溜め息混じりに言った。 「なるっちゃんでも駄目かー。しゃーねぇ、手分けして情報を集めよう。俺と敏志で情報屋のジジイの所に行く。なるっちゃんと天ねぇで、引き続き別ルートでの調査を続けてくれ。それでいいか?」 芳賀の問い掛けに、三人はグーサインで答える。 「よし。それじゃあ、カメレオン狩りを始めようか!!!」
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