プロローグ

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プロローグ

今、目の前にある光景が、あまりにも非現実過ぎて、その全てが現実である事を理解する事を頭と身体が全部で拒否している様だった。 目の前にポッカリと暗く開いた大きな穴、見慣れた渋谷のスクランブル交差点が巨大な穴に飲み込まれてしまっている。 いつもは人で歩くのも大変な渋谷の駅前が、まるで貼り絵かの様に静まり返り、人は1人も見当たらない。 それが余計に現実離れして、交差点が砕けた時に巻き起こった砂埃とアスファルトの残骸が転がる中で、俺はただ立ちすくむしか出来なかった、指1本でも動かせば、まるで俺自身があの暗闇に飲み込まれてしまうような恐怖もあった。 全ての始まりは何だったのか? 記憶のページを巻き戻しながら考える。
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