プロローグ (続 某坊さんが溺れる甘い罠)

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『万平寺』(マンペイ寺) だいぶ古いお寺だ。 住職から某坊さんはある事を頼まれた。 「某坊さんがいてくれて有難い。罪深いワシは表向きは住職をするが、某坊さんに実権はお願いする。某坊さんしか信用できないからだ。これからも助けてくれーー」 住職は沢山の檀家を書いた書類を某坊さんに渡した。 そして某坊さんはーー。 「住職さん、それは責任重大ですよ。かなり俺はプレッシャーを感じます。ツヤさんが身内ならツヤさんがやるべきですよ」 住職は、 「確かにな。ツヤは身内であっても女だ。出来たら某坊さんにやってもらえると、ワシの肩の荷が降りるんだ。ワシは身勝手じゃな!」 寺は益々寂れていくばかりだった。 住職の妹のツヤさんは義足で、対人恐怖症を持ち、部屋から殆ど出ない。 キヨシは三日前に採用された料理人。寺の中や檀家の人を全く知らない新入りだ。 娘のアイリは行方不明だし、馬渕(通称ウマさん)はまた、行方不明。 寺で自滅したのは悪霊の仲間の、新沢(ニイ)ボス的な金子(通称 カネ) アキの三人だ。 新沢以外の二人の最期は見事なまでに醜い姿を現してこの世を去った。 三人は住職より念仏を唱えられお祓いを受けて再びこの世に出ないように封じ込められた。 そしてまた某坊さんが言っていた火種が微妙に動き出した。
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