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「弟よ、弟よ」
布団で倒れていると
自分を呼ぶ声がする。その声は主は誰か知っている。無駄に高い声とちょっとやる気のない感じが混ざる、独特な声、声の主の相手は正直言って面倒いが、無視する方がめんどくさい。ほら噂をすればなんとやら
「お〜と〜〜うーとぉーーーーよぉーーー、
弟、聞こえているのは、分かってる。観念して、お姉ちゃんの相手をするがいい❗️」
まぁ、そんなこと言われて相手する奴がいるかと
ツッコミながら、嘘っぽく寝息を立てる。
「スーっ、、スーっっ。」
「それは、ひっちゃ」
あ、噛んだ、
「それは、ひっちゃつ技、寝息ではないかぁー」
あ、最初からやり直すのね、しかもまた噛んだけど、さらには、無視して言い切ったし、
「スーっ、、スーっっ。」
また嘘っぽく寝息を立てる。
「そっちがひっちゃつ技を使うならこっちも使ってやろう、我が奥義、」
あ、必殺技から奥義に変わってる。
「飛び膝蹴り」
お、タイプ格闘、前方の敵めがけて突進したあとにジャンプからのひざげりでダメージを与える自分も反動ダメージを受けてしまう技
と俺は即座に反応し、布団から抜け出す。その数秒後
「いったぁーーー」
と悲鳴だけが布団に残った。あと膝を打った姉、
どこからかもなくピロロロンと聞こえ、俺に経験値が入ってくる。
「起きてるなら、起きてるって言えよー」
と言いながら、膝を労っている。
「なんなんだ、姉よ」
「エロ本貸して」
何を言ってるんだろうか、俺は、難聴かと思い、そのまま寝た。
このあと、弟を、見たものはいなかった。
「だからエロ本貸してー、って、ねぇってばぁー
ねぇっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーってばぁーー」
ウルセェ、それ以外思うことはなかった。
「なんでだ?」
『読むからだけど?、それ以外に使い方ある?本の?」
真っ当な顔をしてやがる
「もう一度聞こう、なんで?」
「友達から貰ったBL本、達也(弟)のエロ本に隠したから?、と言うか、あんなのが趣味なんだ、きもいね」
はっ?、なんだって?と言うかなぜ姉が俺が隠してるエロ本の場所知ってる?、
「いやいや、姉よ、BL本、読んでる時点でキモさは一緒なのでは?」
「何を言う達也よ(弟)、BL本は、国宝ぞよ」
はっ?、姉の頭が悪すぎる。心底、真っ当なみたいな顔して言ってやがる。
「で、早く、エロ本プリーズ、、我の国宝を、返しておくれ」
この後、姉を見たものはいなかった。
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