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その部活というのが
「てるてるCo.?!」
萌音が急に素っ頓狂に甲高い声を上げると、周囲の視線は一気に此方へと集中してしまった。
「声大きいよ」
「ごめん、てかそれ部活なの?」
「多分。なんかさ聞いた話だと設立したのが去年で、部員は一人。部室はあるらしいけどいつも不在だって」
「それ部活ってか同好会レベルだね…」
「うーん。でもさ、カンパニー名乗ってるってことは制作系の部活かなとか思うんだけど…気にならない?」
萌音の顔は私の興味とは裏腹に、渋そうに眉がひそんでいた。
「興味ないか…」
私が彼女の返事を待たずにガッカリした様子を見せると、慌てて反論してきた。
「気にはなるけどね。まぁ、何やってるか分からないから、そこまでは心惹かれないというか…」
まぁ、それはそうかも知れない。
私だって、あんなてるてる坊主にさえ合わなければ、この部活に興味無かったかも知れないのだから。
「フミまだ、あの日のてるてる坊主気になってるんでしょ?」
ふと、私が回想していると、勘付いたように萌音が問い詰めてきた。
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