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2話
組員の「行ってらっしゃいませ」の挨拶と共に送り出された。通学路もいつもと変わらぬ風景だった。
学校に着くとクラスに入る。そこで一瞬音が消えるが、いつもの事だ。俺の席は窓際の一番後ろ、、、
入学してから今までテスト以外で変わったことがない。席替えをしても仕組まれてるんじゃないのか。というくらいずっと一緒だ。俺、苛められてるのか?と疑問に思い始めると知らぬ間に眉間にシワがよっていたらしく斜め前に座っている生徒の顔色が真っ青になってしまった。
え、俺そんなにおっかない顔してるの?マジ?
いや、いやいやいや、待て待て待て。落ち着け俺!
気を取り直して笑顔だ。笑顔は最大の武器だ。皆、和むはず。という事でフッと笑ってみた、、、顔色が真っ青になってしまった生徒は真っ青どころか血の気を無くして気絶して倒れた。
ちょっと待て!これでも俺、毎日1時間笑顔の練習してるんだけど!何!?何なんだ!俺の笑顔は最大の武器どころか凶器ってこと!?笑っちゃいけないのか俺は!
取り敢えず、席から立ち上がり気絶して席から崩れ落ちてしまった生徒に近づく。周りはハラハラしている。「ヤバい、ヤバいって」とか「田中~」とか聞こえてくる。コイツ田中って名前だったのかと初めて知った。
「おい」と声を掛けて軽く肩付近をペシペシ叩いても起きる気配がないので田中を担ぎ上げて保健室に連れていった。その間、周りの痛すぎる視線が突き刺さってきたけどな。
そして、保健室。
ベッドに転がすと田中が身じろいで微かに目を開く。
目、開くの早すぎ、、、
もう少し俺が離れた時に目を覚ませよ、、、
案の定というか何というか声にならない悲鳴をあげてしまったので「悪かったな」と聞いているのか居ないのかわからないが取り敢えず一言投げ掛けて保健室を出た。
田中はホームルームが始まるギリギリに教室に帰ってきた。その間、俺をチラッと見てきたが直ぐに逸らされた。朝の出来事以外は昼までいつもと変わらなかった。
そして、昼の休み時間にクソジジイから電話があった。何でも兄貴が階段から転げ落ちたらしい。組関係の医者の所に運び込まれたらしい。お前も一旦、帰ってこいと言われたので仕方なく早退する事にした。
俺、これでも優等生なんだよ!皆勤賞並みなんだよ。授業も真面目に受けてるんだよ!早退した後の授業内容を書いたノートを見せてくれる友だち居ないんだけど!
何とも言えない気持ちを残しつつ俺は教室を後にした。
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