第1章

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しかしその後、機動隊で銃撃に加わった隊員のうちの1人が、月明かりの下に蜂の巣のように銃弾を浴びた犯人グループがみな、犯人=小人=癩病患者(らいびょうかんじゃ)(ハンセン病患者)であったことに、強い罪悪感に(さいな)まれて(ふさ)ぎ込み、やがてみずから罪を(つぐな)うように首を吊りました。 彼の家族は、あの白い満月の晩、突然出動命令が出て、朝方とても青ざめた表情をして帰宅して以来、ずっと塞ぎ込むその豹変(ひょうへん)ぶりに驚きました。 妻が夫に問いただしても、何んでもないを繰り返すばかりでしたが、数日後、自宅の(はり)で首を吊っている姿が発見されました。
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