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第2章
村の有力者が妻の叫び声を聞いて、不機嫌な顔で手紙を受け取りました。
白い封筒の表面に、赤い血が滴り落ちた跡があり、赤い文字で「神からの手紙」と書かれています。
封筒を開けると、同じく血の跡がある白い便箋が1枚入っており、たった2行だけ赤い文字が並んでいました。
お前を「森」の声により裁く
ほふられた子羊より
悪質なイタズラかとも思いましたが、現実に息子が殺されています。
村の有力者は、すぐに側近たちを集め、県警本部長にも連絡を入れて、警察による警護を要請しました。
息子を「一本松」で絞首刑のように殺された際、母親である村の有力者の妻は、その無惨な息子の姿に嗚咽しました。
たしかに息子が「森」で庇護されて住んでいた未成年の少女を強姦し、自殺に追い込んだことは理解していました。
しかしこの母親は、息子がこの未成年の少女にたぶらかされ誘惑されて行為に及んだと今でも信じています。
すぐに松林に囲まれた村の有力者の大きな屋敷には、5人の警察官が配置され、他にも暴力団員が数人用心棒として警護にあたりました。
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