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第3章
わずかな路銀をもらい、四国の八十八カ所の巡礼に行けと村から追い出された5人の小人たちが、巡礼へと赴きました。
そこで、まだ未成年のある姉妹と出会います。
姉は細身で、黒く長い髪のとても美しい少女でしたが、妹は、とても背が低く黒人のように縮れた短い髪に、異様に発達した大きなひたいの変形した顔でした。
姉は妹が、癩病患者のための村を追い出された折、ひとりで旅をさせるわけには行かないと、両親の猛反対を押し切って四国巡礼のお伴をしていました。
5人の小人たちは、その姉の美しさと優しさに触れて涙を流し、姉妹のために四国の八十八カ所の巡礼の厳しい道のりの手助けをしました。
美しい姉から感謝の言葉をもらった時は、感激の涙を流しました。
四国巡礼が終わり、姉妹は故郷のある東北へと向かいました。
もう一度、懐かしい故郷の山々や風景を見たいと…
そして5人の小人たちも、また新しい旅へと日本中を歩き続けました。
かれらは、その日その日生きのびるだけで精一杯、もう罪の心も道徳心もありません、どんなことでも生きのびるためにやりました。
腹が減れば、空き巣に入って金や食料を盗み、盗んだ金で女も買いました。
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