大幹部ブリザードの災難

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   ◆  私が彼女に会ったのは、サタン閣下に呼び出される一時間程前。  私がサタニアス基地の廊下を歩いていた時。  この場所に、不適当(ふてきとう)不穏当(ふおんとう)不相応(ふそうおう)で場違いな、少女――というより年端(としは)もいかぬ幼女がいた。    その幼女は、ピンクのゴスロリ服を身に纏い、未踏の地に足を運んだ旅行客の様にキョロキョロと辺りを見回しながら、ゆっくりと不安げに歩を進めていた。  私はその光景に一瞬、唖然(あぜん)としていたがすぐに警戒する。  まず、このサタニアス基地に一般人が迷い込むというのがありえない。  普通の人間にはこの基地を認識することすら叶わなく、万が一にも視認できたとしてサタニアス基地のセキュリティを突破することは不可能だからだ。  ならば、サタニアスに裏切り者がいるのか。それもありえない。  サタン閣下のカリスマ性にはどのような悪魔も逆らえない。  仮に裏切り者がいたとして、サタン閣下ならばすぐに見抜き、その者はすでに処されているはず。  だとすると。  この幼女が只者ではない。と言えるのではないか。  または、我々サタニアスの敵である魔法少女が、裏で糸を引いている可能性がある。
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