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細心の注意を払い、私は幼女と接触することにした。
幼女に向かって歩を進めると、幼女は私に気付くなり不安気だった表情から笑顔へと変わった。そして、幼女は笑顔のまま私に向かってぱたぱたと走る。
私は、幼女への警戒を強めながら、周辺の様子を探る。
別の気配は感じられない。ここにいるのは、私と幼女の二人だけ。
私は警戒されぬよう、慎重に声をかける。
「お嬢さん。どうされました? 迷子かな?」
「うん。サタンさんに、おてがみとどけにきたの」
そう言うと幼女はピンク色の封筒を私に見せた。
私はそのピンク色の封筒よりも何よりも、幼女の言葉に衝撃を受ける。
サタン閣下の名を知っている――。
瞬間、私は右手のひらで氷の剣を生成。
幼女の首筋に切っ先を向ける。
『氷魔剣』はあらゆるものを切り裂き、切り口から氷結させることで、二つに分かれた物体は二度と繋ぎ合わせることが出来ない。
この氷魔剣があるからこそ、私はサタニアスの大幹部の地位にあるといっても過言ではない。
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