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そんな風に告げられても、
「……だけど、あなたみたいにもてる人が、私を振り向かせる意味なんてないはずでしょ?」
尚も納得が付けられず、戸惑いが隠せない。
「意味なんかが、欲しいのか? 」
一言を返して、
「……惹かれたんだ、あの時のあんたに。意味なんて、最初からない」
返事も待たずに、有無を言わせぬ直情で心を揺さぶる。
「……そっちは、どうなんだ?」
こんなにも突然で、熱く駆り立てられる激情になんか、どう応えればいいのかもわからない。
「……俺を好きじゃないのか?」
「……だって、急すぎて……」
壁から片方の手をはずしたと思ったら、
「……落ちろよ」
不意に、腰がグッと引かれ抱き締められた。
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