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「なんだったの……」 呆然と呟いて、踊り場に立ちすくむ。 駅の階段で、次は歩道橋で、そして今ここで……あの手の感触は全てが同じで、アプローチをかけてきていたのはあの男の人だったんだと思う。 でも、なぜ…… なぜ、忘れないでいてだなんて…… まるでわけもわからなくて、私は自分の身体をぎゅっと腕で抱えると、しばらくはその場から動けないでいた──。
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