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──その日、頼まれた郵便物を出してきて席に着くと、デスクの上に包み紙の両端がねじられたキャンディーが一粒だけ置いてあった。
「…何、これ?」
手に取って呟くと、
「……ああ、そう言えばさっき、重成さんが来てましたから、あの人じゃないですか」
と、西嶋君が話した。
「…えっ? でもなんで、これになんの意味が……」
手に乗せたミント味のキャンディーに目を落とす。
「さぁ、知らないですけど。なんか当たり前のように置いていきましたよ?」
「……当たり前に?」
どうして、こんなことをするんだろう。あの人って、話を聞いてるともてるみたいだし、こんな意味のない行動を私にしてくる理由が、全く理解できなかった……。
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