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──資料室での一件から、彼は露骨にはアプローチを仕掛けてこなくなっていた。 あんな人でも少しは悪いと感じているのかもしれないと思っていたら、 退社時のエントランスで、また顔を合わせてしまった。 もう構われたくはなくて、足早に通り過ぎようとすると、 「……待てよ」 と、前に回る形で先を塞がれた。 「……どいて」 少しは悪気をだなんて、まるで間違いだったと感じる。 避けてエントランスを出ようとしたら、女性社員らのひそひそと話す声が聞こえてきた。
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