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誰かさんの正体
誰かさんは僕自身だったのか。僕はたった今そのことに気がついた。やけに気が合う、話が合う。どうしてか自分の慰めて欲しいことにアドバイスをくれる。その答えは、「誰かさんが僕自身」であったのだ。自分の知らないもう1人の自分と僕はずっと文通していたのだ。
でも、不思議なものでもある。この文通をしていた時、僕は少し自分に自信を持てるようになった。励まされた。自己嫌悪に陥っては鬱々としていた毎日が少し、少しではあるが明るいものになっていた気がする。それは単に励ましの言葉に触れたからでは無い。同じ気持ちの人がいる、そう思えたら何だか心強く安心出来たのだ。
1人部屋で少しはにかんで、僕は思った。僕はこの数カ月ただ1人で文通ごっこをしていたに過ぎないのだった。…でも、これも悪くは無いかもね。
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