妄想

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妄想

 ある日。ある日の昼過ぎ。外はのんびりした晴れ模様なのに、僕はただちょっと塞ぎ込んだ様子で窓際に座っていた。こんな良い天気、せっかくなら何かしたい気持ちだけれど生憎そんな予定は何にも無い。窓からさす日がそんな暇を持て余した僕の左手の甲をほんのりとあたためている。浮かない毎日に鬱々としながら、何か暇潰しになることは無いかと僕は妄想を始めた。…10分位経ち、あることを思い着いた。そうだ、どうせならこの鬱々とした気持ちや悩みを手紙にしたためてみよう、とは言っても宛先は全く架空。何故ならそんなことを気軽に相談出来る相手なんて僕にはいないからだ。適当な在りもしない住所を書いて送ってみよう。どうせすぐに宛先不明で戻って来るだろう…かりそめの憂さ晴らしだ。僕はペンを手に取り、便箋に適当な文章を書き出し始めた。
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