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出会い
いつも妹のジュリオとパーティーを組んで、ストーリーを進めてボスを倒したりしていた。
最初はシーフで進めていたのだが、ダンサーのジュリオがよく死ぬので、途中からヒーラーに転職し、それを本職にした。
「りさらさ~ん!死んだから助けに来て~!」
「あいよ~ん!」
ジュリオを助けに行く毎日は、とても楽しかった。
だが、ゲームの世界でフレンドが増え、強いサポーターが雇えるようになると、妹とは別行動をとるようになっていった。
そして、妹がゲームに飽きてしまったらしく、どんどんログインしなくなっていった。
私は寂しくなった。
りさらでプレイヤーの多いサーバーの、プレイヤー達がよく雑談している町でぼーっと立って、話を聞いているだけと言う日々が続いた。
たまに「遊ぼう!」と誘ってくれるフレンドさんもいて、遊んでいたのだが…何か違う。
遊んでいる間は楽しいけれど、すぐパーティーを解散してしまうから寂しかった。
たぶん、深く結び付いてくれる人が欲しかったのだと思う。
妹みたいな人。
居るわけないのにね。
そんなときに、彼と出会った。
いつものように、町でぼーっとしていると
キュピーン!
と音がなった。
誰かがりさらに「いいね!」をしてきたらしい。
MQ11にはいいね!と言う機能がある。
話してみたい人、フレンドになりたい人にする合図…みたいなものだと私は思っている。
いいね!が飛んできた方向を見ると、りさらと同じ種族であろう男の子のキャラが立っていた。
私は彼にいいね!を返して、
「ありがとう!」
とチャットをしてみた。
「フレンド良いですか?」
と返ってきたので
「いいですよ~」
と返し、彼とフレンドとなった。
彼はキャットと言う名前だった。
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