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本妻
私にはサカキさんと共通のフレンドがいた。
スワロという名前の人だ。
スワロさんと二人で話しているときに、サカキさんの話題になった。
「りさらさんて、サカキさんと付き合ってるの?」
そうきかれたので、
「相方だよ。」
と、照れ臭そうに言ったら
「サカキさんには、別に相方がいる。」
と、返ってきた。
私には、心当たりがあった。
サカキさんといつも一緒にいる女の子のキャラ。
ふうかちゃん。
サカキさんと仲が良さそうだったし、私とサカキさんがいたときに、サカキさんの隣に座ったり、サカキさんと重なるように座ったりしていた娘だ。
気になった私は、ふうかちゃんにフレンドになってくれと言ってみた。
彼女は私とフレンドになってくれた。
ふうかちゃんと少しずつ話していき、ある日私は彼女にきいてみた。
「ふうかちゃんとサカキさんって相方なの?」
答えは…yesだった。
ショックだった。
私がサカキさんに相方がいるのかどうかきいたときは、いないと言っていたのに。
私はサカキさんに訊いた。
そしたら
「ふうかちゃんも大切だ。」
と言われた。
私はスワロさんに愚痴をきいてもらっていた。
「サカキさん、ふうかちゃんも大切なんだって。」
そう言ったら
「本妻だからね。」
と返ってきた。
本妻
私の心を曇らせるのに、十分な言葉だった。
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