盲目

　自ら異質者と認める和幸の就活は消極を極め、人間関係を極力避ける為、夜勤専従の派遣社員として勤務できる所に絞って進めて行き、結局、或る製鉄工場のプレス部門で働くことになった。そこへアマチュアバンドのメンバーであり和幸と同じ派遣会社に所属する大島さんという男性社員が昼勤夜勤の交代勤務者として派遣されて来て夜勤の時に和幸は大島さんと出会う事になった。
　大島さんに普通の工員とは異なる雰囲気を感じた和幸は、自分から話し掛けた所、彼の趣味が自分と同じエレキギターだと分かった為、彼と付き合う様になり、自分の借家や楽器屋のスタジオで彼と共にエレキギターの練習をしたり、楽器屋のスタジオで彼のバンドに加わってエレキギターを弾いてみたり、アマチュアバンドの演奏を見ながら飲食出来るライブハウス・バーを彼に紹介してもらって彼のバンドの演奏を見ながら飲食したり、他のアマチュアバンドの演奏を見ながら彼とそのバンド仲間達と飲食したり、居酒屋や寿司屋や焼肉屋やラーメン屋にも彼とそのバンド仲間達と繰り出して彼らと飲食したりといった様に大島さんのお陰で出不精だった和幸が行動的になったのは、まあ、良かったのかもしれない。