冬の稲妻②

1/1

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

冬の稲妻②

そこはまさに闇の洞窟であった。 だがおそらく最新鋭のコンピューター設備と兵器は悪の軍事要塞といえるものであった。 ドクタースミスはその最深部、総統の間にて信者や戦闘員らに指示を出していた。 「RYO指揮官をわしのところに呼べ」 「かしこまりました、スミス総統」通信係は直ちに指揮官に連絡を取った。 暫くして指揮官が総統の間に入ってきた。 「スミス総統、何かご用でも?」 RYO指揮官は黒い仮面を破り顔は不明であるが、年若く見えた。 「おおっ、RYO指揮官、ご苦労。実はおりいってそちに頼みがある。」 「総統の命令は絶対です。いかほどにも従います。」 指揮官は頭を下げた。 「よしよし。RYOよ、我々の支配する中央シティーに邪魔者が現れた。こやつらを生捕りにして、わしの元に連れてきてくれんかのー?」 スミスは総統の間にあるスクリーンを指差す。 「この曲者らは?」 「我々のアース教団を壊そうとする。海西シティーからのネズミどもよ。 お前の知力と体力があればたわいもない相手。」 スミスは不気味な笑いをみせる。 「総統、わたしにお任せ下さい。早々にこの者たちを捕らえ、連れてまいりましよう、」 指揮官は再び頭を下げだ。 「お前は若いがわしの中でいちばん信頼できる部下だ。頼むぞ!」 「ははあ、仰せのとおり。」 RYO指揮官は即座に総統の間を出た。 ‥‥ふふふ、RYO、お前があの連中と顔を合わせたとき、最大の悲劇が訪れるであろう。 それもまたわしの楽しみの一つだ‥ ドクタースミスの不敵な笑いが洞窟に響いた。 24c7563a-c1a0-4062-84d9-492cf9983b2d
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加