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冬の稲妻②
そこはまさに闇の洞窟であった。
だがおそらく最新鋭のコンピューター設備と兵器は悪の軍事要塞といえるものであった。
ドクタースミスはその最深部、総統の間にて信者や戦闘員らに指示を出していた。
「RYO指揮官をわしのところに呼べ」
「かしこまりました、スミス総統」通信係は直ちに指揮官に連絡を取った。
暫くして指揮官が総統の間に入ってきた。
「スミス総統、何かご用でも?」
RYO指揮官は黒い仮面を破り顔は不明であるが、年若く見えた。
「おおっ、RYO指揮官、ご苦労。実はおりいってそちに頼みがある。」
「総統の命令は絶対です。いかほどにも従います。」
指揮官は頭を下げた。
「よしよし。RYOよ、我々の支配する中央シティーに邪魔者が現れた。こやつらを生捕りにして、わしの元に連れてきてくれんかのー?」
スミスは総統の間にあるスクリーンを指差す。
「この曲者らは?」
「我々のアース教団を壊そうとする。海西シティーからのネズミどもよ。
お前の知力と体力があればたわいもない相手。」
スミスは不気味な笑いをみせる。
「総統、わたしにお任せ下さい。早々にこの者たちを捕らえ、連れてまいりましよう、」
指揮官は再び頭を下げだ。
「お前は若いがわしの中でいちばん信頼できる部下だ。頼むぞ!」
「ははあ、仰せのとおり。」
RYO指揮官は即座に総統の間を出た。
‥‥ふふふ、RYO、お前があの連中と顔を合わせたとき、最大の悲劇が訪れるであろう。
それもまたわしの楽しみの一つだ‥
ドクタースミスの不敵な笑いが洞窟に響いた。
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