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冬の嵐①
夕子は写真をじっと見つめる。フードを被りサングラスにマスク、男の顔ははっきりと確認できないが、胸に付けてるロケットペンダントは夕子と涼のお互いが身につけていたものに間違いなかった。
霧島課長は気になったのか夕子に尋ねる。
「どうかしたか?この写真?」
夕子は涼と交換したロケットペンダントであることは黙っておこうと考えた。
100%の確証が得られるまで‥‥
「いえ、なんでもないです。」
柚木局長は念を押した。
「何度もすまないが、ほんとに危険な任務だ。ジャックスミスとアース教団は狂信的なテロ組織だ。やってくれるか。」
「はい。」
夕子にはもしこれが任務でなくてもやらなければやらないことだと強く感じていた。
10年前の事件に落とし前をつけるためにも。
そして涼は生きてるかもしれないという希望を賭けて‥
「きみの補佐として情報局と防衛局から各一人つける。それときみの友人、香月博士にも協力をお願いする。」
「ええっ、香月所長が?」
柚木が答える。
「我々はかって中央シティーにあった日本時空光学研究所がジャックスミスやアース教団に利用されていたのではないかと睨んでいる。そのため前々から内密に香月君に調査をお願いしてていたんだよ。」
「そうでしたか。わたしもそこまでは把握してませんでした。やります。奴らの思い通りには絶対なさせません。」
夕子は啖呵を切った。
「明日、海西ポートに午前零時に来てくれるか。そこで潜入メンバーらと打ち合わせをする。頼むぞ。」
霧島課長は集合場所にチェックをいれた。
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