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冬の嵐③
「防衛局軍事作戦部、加賀見です。皆さんよろしくお願いします。」
加賀見士郎は頭を下げた。
「天王シティーからの協力者、加賀見少尉だ。
彼は真木村捜査官とも旧知の間柄。潜入計画が成功次第、部隊を率いて全線に立ってもらうつもりだ。」
藤島課長が力強く述べた。
「加賀見少尉よろしくお願いします。」
夕子が久々に見る士郎の顔は昔と比べてたくましく感じた。
「さて電子ヘリの準備も整ったようだ。只今から作戦を実行する。」
「了解!」
全員が荷物を持ち、部屋をでた。ヘリポートはすぐ近くだ。
ヘリから一人の若い男が降りた。
「中野良平です。真木村主任よろしくご教授のほどお願いします。
いやーすげえ美人の上司だ。ますます仕事やる気が出てきたな。」
「御託はいいからさっさと動かして。」
夕子はなんて軽そうな男だと思った。
「中野、真木村はべっぴんだが、仕事は厳しいぞ。しっかりやれよ。」
藤島が苦笑いした。
「はい。お任せあれ。」
‥軽そうだけど、腕は確かそうね。
ヘリはゆっくりと空に舞い上がる。
夕子は試合のゴングが鳴るような錯覚を感じた。
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