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次に私が気付いた時は、私は森の中に倒れていた。私はまだパパの両腕に抱えられていた。
「パパ、苦しいよ。どいて・・」
そう言ってもパパは何も言ってくれない。
パパの背中の向こうに森の木々の葉っぱが見えて、その先に青い空が広がっている。
そこに黒い物が飛んでいる。バリバリと言う音がして物凄い風が吹いた。
少しして沢山の人の足音と声が聞こえた。
「あそこに二人居るぞ!」
「女の子はまだ息がある。男性が女の子を護ったんだ!」
彼等は私をパパの下から引きずり出そうとした。
「ダメ! パパと離しちゃ嫌だ!」
私を抱き上げようとしたその男性は優しい目で私に言った
「大丈夫、パパも連れていくから安心して」
私は何度も頷いて、その人に抱えられた。
「女の子も内蔵の損傷が激しい。急いでヘリに。その男性の脳死状態だが一緒に運べるか?」
私は意味も分からずその声を聞いていた。
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