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突然、覚醒した。
「澪! 良かった気が付いて。突然、意識が無くなってビックリしたよ」
その声の先を見ると大翔が心配そうに私を見ている。
「大翔? 何が起こったの?」
私は未だ酸素マスクが降りている機内を見渡して彼に聞いた。
「機体の与圧センサーの不具合で酸素マスクが降りたんだけど、飛行には問題ないんだって。だけど、那覇に行くのはキャンセルして羽田に戻っている。もう直ぐ着陸だ。代替機で那覇に向かうから、到着は二時間から三時間遅れそうだね」
でも私は那覇に行く前に、今すぐ確認しなければいけない事がある。取り戻した記憶が本当なのかどうかを・・。
「大翔、私、“忘れていた”父の事・・思い出したの・・。私、今日は貴方の実家に行けない。お義父様、お義母様に今日のこと謝っておいて」
「えっ?澪、それはどう言う意味?」
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