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今日は日曜日で、大学時代からの恋人、木本大翔とドライブに行くことになっていた。
大翔は沖縄出身で現在は大手メーカーで技術者をしている。
彼を初めて大学で見たとき、私の心臓に“カミナリ”が走った。そう、この恋の始まりは私の一目惚れだったんだ。
大翔とのドライブは富士方面だった。河口湖の湖畔で昼食をして、その後遊園地のアトラクションを楽しむコース。これは私達の初めてのデートと同じコースだった。
湖畔のレストランに到着したのは十一時過ぎだった。私達は少し早いけど、そこで昼食をすることにした。
このレストランは二階のテラスに席が在り、河口湖と富士山を眺めながら昼食を取る事が出来た。
私達の前に素晴らしい景色が広がっている。
「それじゃ、このレイクスペシャスコースで」
大翔はこのカフェで一番高いコース料理を頼んだ。私はえっと思った。
「大翔! そのコース高いんでしょ。私、普通のコースでいいわ」
「ダメ。今日はこれを二人で食べよう。二人の記念日だから・・」
「記念日って・・? 何の?」
私がそう言うと彼が自分の鞄から小さな四角いケースを取り出した。
「それって・・?」
その中に入っている“モノ”は私でも簡単に想像出来る。
大翔はそのケースの蓋をゆっくり開けた。
そこには予想通り・・綺麗な指輪が輝いている。
私は突然の出来事に声も出ず両手で口を押さえていた。
「澪。僕と結婚してくれ。きっと君を幸せにする! 絶対だ!」
「えっ・・? ここで・・?」
私はそう言うのが精一杯だった。心臓が鼓動を高めているのが分かる。目に涙が滲んでくる。
「澪、どうかな?」
私の心臓は、とても”嬉しい“と感じている。そう、私は一番愛しているこの人と一緒になるべきだ・・。
「・・はい・・大翔。嬉しい・・。ありがとう・・」
私は俯きながら、そう答えた。
私が顔を上げると大翔が満面の笑みで頷いていた。
そう私はその笑顔に恋したんだ。
私はそこに居る未来の夫の顔を見つめ、人生最大の幸福を噛み締めていた。
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