2人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の名前は『琢磨(たくま)』吹奏楽部に所属する高校2年生だ。
僕は生まれつき太っていて小学生の頃は肥満児と呼ばれていた。
食べることが好きで体重を減らそうという思いもなかったため、中学高校と進学するにつれてさらに太っていき、高校2年生の今では身長167Cmで体重82kgになっていた。
同じ吹奏楽部の1年下に『明里(あかり)』という女子がいる。
明里は髪形がショートで少し男勝りなところがあり、いつも元気で活発な女子だ。
4月に新入部員として入部した時から僕はそんな明里のことが気になる存在で、日が経つにつれ好きという感情に変化していった。
8月の吹奏楽コンクールと定期演奏会を終えて3年生が引退し、2年生と1年生で新たな吹奏楽部がスタートした。
この頃は1年後の吹奏楽コンクールと定期演奏会に向けての練習で、比較的練習は緩やかで部員同士が和気あいあいとした時間が流れていた。
12月のクリスマスシーズンが近づくと、街には手をつないで楽しそうに歩く高校生のカップルを見かけるようになる。
僕も彼女と手をつないで楽しい時間を過ごしたいと思うが、こんなに太った僕には似合わないとも思った。
それでも僕は、思い切って告白してみようと一念発起した。
行動を起こさなければ何も変わらないし、たとえ告白して断られても告白しないよりは後悔も少ないだろうと考えることにした。
最初のコメントを投稿しよう!