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おぉ〜〜〜〜。重力ですね。薬塗らんと。マジちょっとしかないけど。 「雪ちゃん、なんかさ、俺だけがすごいところから帰ってきたみたいになってんじゃん。」 「うん?実際そうでしょ。」 「でもホントは俺が今生きてんのって、雪ちゃんもその危ないところに突っ込んできてくれたからだよね。ヒーローは俺じゃない。俺を助けてくれたし、生きることを決めてくれた雪ちゃんが、一番のヒーローだよ。」 お、なんかマトモな事言った。 「どーも。でも言うならヒロインでしょ。」 「あっ、そっか、うん、ヒロイン。」 私はヒロインなんかじゃないと思うけど…まあいいや。 「そろそろ着くとおもうよ。」 「うん、ありがとう。」 ゴゴゴゴゴゴ… 帰ってきた…もう帰らんと持ってたのに。まあいい。今はそんなことどうでもいい。私は生きてる。生きてる私がすべきことは、賢ちゃんのために働くこと。 「着いたよ!行こう!」 バンッ、と部屋のドアが開く。ストレッチャーごと賢ちゃんを運び出す。ロケットのドアを黒沢さんと白木さんが開けて待っててくれた。あーっ、くそっ、報道陣邪魔くせぇっ! 「怪我人がいるんですけど!避けてください‼︎」 シンッ。 「…雪花強くなったね。」 「賢ちゃんに助けてもらったんです、私だって助けますよ。」 ドクヘリか。よし、行こう。少しでも望みがある方に。
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