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「よし、帰るよ。宇宙ステーションとの切り離しするからそろそろ部屋に戻っといてね。テキオー薬忘れないこと。一応ついたらソッコー病院には行けることになってる。とにかく急ごう。」
…ホントは、山形さんだって、賢ちゃんだって、わかってるはず。もうほぼ無理だってことぐらい。薬を入れた生理食塩水にずっと入れてた。テキオー薬だってたくさん使った。でも、ブラックジャックでもいない限り無理だ。そんなん考えたくないけど。もし少しでも望みがあるなら、できることをしたい。
「黒沢さん、無重量状態からでたらすぐ薬を塗れるようにしてもらってもいいですか。あとほんと少ししかないですけど。」
「そうね。私は運転室に行かないといけないから、あなたがいてあげて。薬渡しとくわ。…切らないといいけど。」
「そうですね。でもあんな大惨事の中から生きて帰ってきただけで十分です。それは本人だってわかってるでしょうし。」
「はー、あなたらしいわ。でも実際そうよね。もしもの時はあなたが彼の脚や腕になるのよ。じゃあ私はもう行くわ。またね。」
「はい。」
腕とか脚ね…そうなりますよね。そろそろ出発か。行こ。
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