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アイの真実
とにかく、一言言ってやらなければ気がすまなかった。見る人によってはあまりにもくだらない喧嘩であっただろうけれど、それでも自分にとっては死活問題に他ならなかったのだから。
向こうには向こうの言い分があるのだろうが、僕にだって僕の主張があるのだ。
文句を言うため 自宅居間のドアを勢いよく開けて僕は――リビングに転がっている“彼”を見て、立ち尽くすことになるのである。
「……ミライ?」
僕が作った、少年型アンドロイドの彼は――リビングの包丁を己に突き刺して、動きを完全に停止していたのである。
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