くま子とくまねえ

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

くま子とくまねえ

くまちゃん、くまちゃん。 くまねえは、くま子のことをそう呼ぶ。 なあに、くまねえ。 くま子はそう返事をして、にっこり笑った。 そろそろ秋だ。山が、おいしそうな色におおわれる。 柿、栗、それにキノコ。 黄色い銀杏と赤い紅葉。葉っぱを踏みしめ、山道をすすむ。 見て、栗だよ。 いがを踏んで、中身を取り出す。 くまねえはそれを、くま子に渡す。 はい、どうぞ。 あ、柿だ。 くま子はするする木を登った。 柿をぽきりと、ねじ切り投げる。 ナイスキャッチ! くまねえが、柿をやさしく両手で包む。 さくさくさく、と、葉っぱが鳴る。 ピピーッ、止まれ。 木の根元に、キノコを発見。 収穫用意! 二人は仲良く、手を伸ばした。 くま子は小さなキノコを手に。 くまねえは少し大きなキノコを。 大量、たいりょう。 今日はごちそう。 キノコ鍋にしようか。それとも栗ごはん。 デザートは柿で決まりだね。 両手にいっぱい、抱えて一緒に さあ。帰ってご飯にしよう。 さくさく、にこにこ。 秋はなんて楽しいんだろう。 秋はなんて美味しいんだろう。 くまちゃん。 くまねえ。 手を繋いで、さあ帰ろう。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!