魔闘士さまは非番の時にいつもイチャついている11~唇から媚薬~

2/22
前へ
/22ページ
次へ
「ひととおりの診断は済んだ。あとは記憶を取り戻すだけ」 「お師匠にも無理なのか?」 「努力はしたが、芳しい手ごたえがなくてな」  お前にならできそうな気がするのだよ、とイジェスはルドーニに眼をやった。 「しばらくヴァフィラの傍で、面倒を見てやってくれないか」 「お師匠でも不可能だったことが、俺にできるかどうか」 「親しい者が傍に居ると、記憶の糸がほどけるきっかけが生まれるかもしれん」 「解かった」  正直、イジェスの命令はルドーニにはありがたかった。  これで法皇の名の元に、堂々とヴァフィラの傍に居ることができるのだ。 「待ってろよ、ヴァフィラ。絶対治してやっからな」  そんな経緯を経て、ルドーニはヴァフィラの私宅へと走った。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加