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「最近、本社工場の女子寮に毎晩下着泥棒が出ているそうなんだ、そしていつもニコルの下着が盗まれているんだ。」  その話を白木俊夫からきかされた。 彼とは入社後すぐに行われた研修合宿ですっかり意気投合し、同じ会社でも彼らは本社工場で、僕はそこより5km離れた駅前工場に配属されていたことと、僕は自転車しか移動手段が無かったため、もしかしたら他の工場に配属された人たち同様に研修合宿以来二度と会うことのない人になっていたかもしれない。  幸か不幸か白木は入社後すぐに自動車を買っていたためにちょくちょく僕の寮に遊びに来ては、互いの工場の情報交換をするようになっていた。 その話を聞いて僕は手にしていたゲーム機のコントローラーを置き、タバコに火をつけながら彼のほうに向き直し言った。 「その話を詳しく教えていつ頃からその泥棒は出没しているの?」 「今週に入ってから、毎晩ニコルが干している洗濯物から下着が盗まれるらしいんだ。」 白木は付け加えるように「何も毎日服を洗濯しなくてもいいのになあ」と少し呆れていた。 「僕なんかは日曜日にまとめて1週間分、朝から洗濯して干してるさかい、まあある意味男のほうはじたらくなんちゃうか?」 「いや、そんなこともないさ女子寮のほとんどの子は2・3日に一回だそうだから、多分ニコルは施設育ちだからそういう方面几帳面なんだろう。」 「一つ言える事は、それを毎日盗みにくる奴の方は皆勤賞者やな、そういうたらその前に管理課にはその話いうてんの?」 「一応届けたらしいが、何もしてくれないそうだ。それで俺のところにこの話が来たんだ。そこでだワカ!ワカは剣道をしていたんだろう?」 「なるほど、そういうことか?面白そうやんか。何か“俺たちの7日間戦争”みたいな展開やな!」
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