さゆりの誕生日2019年

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私の誕生日。 昼飯を食ってから、みやがキッチンから出てこない…… 「ずっとキッチンに籠って何をしてんねん?」 「ふふふふ……じゃん!なーんだ!」 「ホットケーキミックスの粉」 「はい!そしてー、じゃん!!」 「私が買ったたこ焼き器」 「はい!!」 「?」 「ケーキを作ろーう!!」 「え!!!」 「うちは不器用やから、ほんまのケーキは作れへんからな、これを使って手作りケーキ✨✨」 みや曰く、私のおかんみたいに立派なケーキは作れんでも、何か楽しい事がしたいと悩んでた時に、ホットケーキミックスとたこ焼きプレートを使って作るケーキを見付けて「これやー!」と思ったようで。 「具も色々準備した!チョコレート、イチゴ、バナナ、チーズ……」 「チーズ!?」 「チーズケーキもどきにならんかなー?って」 「ぶふっ……ま、やってみよーぜ」 「後、色々!これは、トッピング!あ、さゆりホイップクリーム作って?」 「私にやらすんかい!」 「うちは今から粉を混ぜねば!やから!頼んだー」 そこはみや、頑張れよ!って思ったけど、ここまで頑張って準備してくれたし、ホイップクリームは任された。 「おし!出来たぞ!」 「うちも完成ぃ!!焼こ?焼こ✨焼いてみよ??」 「めっちゃ嬉しそうやん」 私の為ってよりは、これ、みやがしたかったんやな(笑)。 「中が半生にならんようにせななー♪」 「せやな」 「さゆり、何入れる?」 「最初は無難にチョコレート」 「せやなー♪上手に出来るかなー?」 たこ焼きは上手に出来たから、出来るはず!と言いながら、プチパティシエみや奮闘。 「はい!ど?ど?どう?」 「ちょい!ちょい待て!あちぃから、すぐは食えねーよ💦」 出来上がった一発目をみやは私の皿にどっさり入れた。 「あ!クリーム付けて食べて!」 「(笑)分かった分かった」 食べてみた。 「……うっま!!」 「うま?旨い?旨いか!!うわぁーい!!♪そら、間違いない材料でやってるし、間違いないとは思ってたけどー✨」 「ほれ、食ってみ?」 みやの口元に差し出すと、私の食べた残りの半分をパクッと口に加えた途端目が輝いた。 「~~~♪♪」 「な?旨いやろ?」 声にならん位幸せなんやな、良かったな。 「やって正解やん」 「うん!!考えた人は、多分オイシイの天才やな✨」 「オイシイの天才?(笑)」 「うん✨✨」 しかしまー、相変わらず幸せそうな顔して食うよな、みやは。 この顔見てるだけで、こっちが幸せになってくるわ。 「次は、何入れる?」 「チーズやってみろよ」 「あ!せやな♪」 →結果。 二人とも旨すぎて悶絶。 「やべー!」 「うまぁぁぁ!!好きー!!」 「裏切らん味やったな」 「フルーツも入れてみよ🎵」 「なんか、めっちゃ楽しくなってきた」 普段はそんなに食べへん私も、間違いなくこの時はいつもの倍は食べてしまってた。 「ギブ。食い過ぎた」 「まだあるでー?」 「もう食えんー」 「冷めても食べれるとは思うけどなー?明日温めてもヨシやしな✨」 「みやは、食べてていーよ?」 「みやも、もーいーよー。さゆりとゴローンするし❤️」 「食ってすぐは、危険危険!」 「えーー」 って言いながらも、二人とも床に寝そべる。 「みや」 「んー?」 「ありがとな♪」 「何を何をー✨」 「私と楽しめるようにって考えてくれたんやろ」 「……へへ」 みやは、私と目を合わせずに照れ笑いを浮かべていた。 そっと頬に手を当てる。 満腹のお腹以上に満たされた心。 みやとのんびり過ごす誕生日。 これ程幸せな日はないなって、思いながら 知らない間に二人して眠ってしまってた。
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